Seaweed farmer しろいしもりの海苔づくり

海苔漁師の三代目として、兄弟で海苔作りを行っています。先祖代々白石町の面する有明海で作り続けてきた海苔。目には見えないほど小さなタネつくりからはじまり、海の中で徐々に大きくなる海苔は、約1年をかけて完成します。有明海は、干満差が最大で6mにもなる、日本国内でも珍しい事象が見られる海です。世界有数の干満の差を誇り1日2回の干出(かんしゅつ)により旨みが凝縮されることで独特の味が作られます。 また、佐賀県全体は川が多いため、ミネラル豊富な栄養分が海に流れ込みます。恵み豊かな有明海で作られる旨みとつやのある海苔。自信を持ってお客様にお出しできるように日々真剣に取り組んでいます。
私たちの作る海苔は、毎年県が開催する「佐賀海苔有明海一番」という品評会で4年前に称号をいただきました。代々受け継いできた海苔漁師としての伝統を大切に、兄弟でいちから海苔作りを行っています。常に美味しさを更新し続けられるよう、家族で支え合いながら、こだわりを持って作業しています。時間や天候によって海の流れが大きく変わり、栄養状態も変化していきます。海苔のことを常に考え、自信を持った味を提供できるよう、知識の収集も怠りません。しろいしもりのおむすびを食べていただき、海苔の美味しさや生産者のことを少しでも知っていただけたら嬉しいです。

海苔のはじまり
親戚一同でタネ付けから

MESSAGE BY SHIROISHIMORI

海苔のはじまりはタネつくりから始まります。牡蠣の殻を袋に入れて網にタネ付けをします。親戚や友達など大勢で集まり、お盆やお正月のように1年にかかせないイベントの1つです。支柱立てを行い海苔の解禁日になれば、そこから毎日海に様子を見に行きます。白石の港の近くには江戸時代の人々が作った干拓地があり、昔から農業が盛んだったことが感じられます。同じ品種でも育て方によって味は異なり、風味が良く、旨味が凝縮した海苔ができるよう手間ひまをかけています。海苔網を上げ下げして、海苔の乾燥を何度も繰り返すことでパリッとしたつやがある海苔ができあがります。

有明海に浮かんだ小さな島
神聖な場所「沖ノ島」

MESSAGE BY SHIROISHIMORI

有明海には沖ノ島と呼ばれる海の上に浮かんだ小さな島があります。漁師の間では神聖な場所として扱われ、新しい船を購入して、初めて海に出すときには必ずお参りに行きます。収穫は冬場の寒く、海が暗い時間帯に行います。細胞が寝ている時間帯に行うことで、より身が締まった美味しい海苔を収穫できます。最初に取れる初摘みとよばれる海苔はより柔らかく風味がいいのが特徴です。しろいしもりのおむすびは全収穫の1割もないほどの自信があるものしか使いません。
このように季節を通して自然と向き合い、海苔を生産しています。養殖と言いながら海苔漁は天候によって左右されやすいものです。また、常に情報収集をして、潮の流れや育つための栄養が足りているかを読み取らなくてはなりません。忙しい時期は1ヶ月間まともに睡眠を取れない時もあります。時間をかけて育てているこだわりの海苔を、お客様に味わっていただき、しろいしもりを通して海苔生産のことを知っていただけると嬉しいです。